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2005年08月28日

中庸なバランス - CASSHERN

以前から何とな〜く気になってて、レンタルで借りて見ました。CASSHERN。
色々と賛否両論が多い作品なのですが(どちらかと言えば批判の方が多い)、私的にはそれなりに楽しめました。
監督は、宇多田ヒカルの旦那の紀里谷和明氏。
元々、ミュージッククリップのクリエーターなイメージがありますが、映像的にもそう言った感触の強いものでした。
映像的に凝った効果を多用してる為、ストーリーが素直に見えない面もあるのか、話が分かりづらい等の批判も多くあるようです。
原作の方は見た事ないですが、結局の所、ストーリーは破綻はしてなく、纏まってたように思います。また装飾過多な映像美もSF好きの私的には違和感なく(こだわる事なく)楽しめました。

ただ、単純なSFとして見るには、テーマは重く深いものはあります。全般的にも重く・暗いトーン。
かと言って、効果的な映像の使い方を多用する、タルコフスキーや寺山修司の作品と比較すると(比較の土壌にあがるかは置いておいて)、明らかに深さが異なります。
タルコフスキーや寺山作品がそれぞれの映像美が映画の断片として非常に有機的な結びつきを果たしてるのに対して、やはり深さが違い、あくまでも装飾のパーツとなってる面はあります。
またテーマも深く掘り下げられ、ストーリーもよく練られてるかと言われればそうではないと思います。
ストーリー・テーマと映像美と色々な面での中庸なバランスが微妙などっちつかずの感触を生み出し、批判が多い気はします。ただ、そういう箇所がある故に、歯がゆいと言うか惜しい感じるのか、何となく気になる存在だなと感じました。
紀里谷氏が何を目指したのかは分かりませんが、映画としてはあくまでもエンターテイメントのカテゴリ。必要以上に掘り下げる必要はないのでしょうが、元々(原作)のテーマが元々重いのもあり、色々な要素をつぎ込んだ結果こうなったのかも知れません。そう言う面ではそれなりのバランスは保ってたと思います。ただ、楽しめるSFとして見ると面食らうと思います。
ちなみに、オンラインDVDレンタルのDISCASでは、この作品、ジャンルが「ホラー」となってました。
え?ホラーなの?

深さを求めるコアな人に
ロシアの監督タルコフスキーの映画。情緒的な映像美が素晴らしい。ただし、作品は難解で本質の理解は欧人じゃないと難しいかも。日本のマルチ作家、寺山修司の代表作品。日本人の伝統的なアイテムや感覚を見事に映像に結びつけた秀作。

投稿者 bauhaus : 2005年08月28日 13:05   « 老舗?のRIOが販売終了 | 9/7、New iPod発表!? »

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