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2005年10月04日

「Manyo-万葉-」にみるwebデザインの新しい方向性

cover.jpgソフトバンク クリエイティブとアクセス・パブリッシングが、9月30日、無償のオンライン雑誌「Manyo-万葉-」を創刊した。
Manyoは次世代電子ブックである「FlipBook」を利用した無料のオンライン雑誌。「FlipViewer」と言う、FlipBook専用のビューワーソフトを用いて閲覧する。イメージは紙媒体の雑誌と同様に、ページの概念があり、ページをぱらぱらとめくりながらコンテンツを閲覧する、正にオンラインの雑誌イメージ。
ただし、紙媒体と異なるのは、中のコンテンツに、webの特徴である、リンクの設定やFLASHを埋め込んで動画や音楽を再生出来る点。従来の雑誌メディアの長所とインターネットコンテンツの長所を盛り込んだ新しい表現メディア、広告メディアとして注目を集めそうだ。

面白いと思ったのは、雑誌と言うメタファーでコンテンツを一つのパッケージとして「ぱらぱら」と閲覧出来る点。webで言えば、ネット・サーフィンをしてるイメージで、特に目的なく、ながら見をするイメージだ。
また、ぱらぱら見てて目に留まった広告等をクリックすると動画の再生が始まったり、関連サイトへジャンプしたりする。いわば、 「プル型」、「プッシュ型」と、さらにサイトへ誘導と言ったweb広告の特徴を一つのコンテンツパッケージの中で実現しており、今後のインターネット広告のあり方としても一つの方向性を示しそうな感がある。

またオンライン雑誌と言うカテゴリでなくても、昨今、ポータルサイト、オンラインショッピングはますますの競争激化の中、多くのサイトが自サイトの差別化、ブランディングに熱心だが、差別化・ブランディングを目的としたコンテンツのパッケージングとしても大きな効果を期待出来そうである。
常設サイトとは別に定期的にオンラインカタログ的なイメージでの配布や、サイト自体、このようなコンセプトでも面白いのではないだろうか。アフィリエイトへの応用も出来そうだ。
勿論、制作に当っては、高度かつ広範囲に渡るコンテンツ制作技術が必要となり、個人の趣味とかで作り上げるのは困難で、それなりのプロダクションが必要となるかも知れないが。

ただ、難点はある。

1.専用ビューワーが必要なのは、ちと辛いかも。普及と言う面でも、使い勝手の面でも。試したけど、動作も決して軽快と言う訳ではなかった。
ブラウザベースで見れるのがいいとは思うのだけど。
FLASHベースであれば同じようなインタフェースは作成可能と思うのだが、運用・更新を考えると大変なのかな。

2.本来、雑誌はリラックスした状態で寝転がりながらとか自由な姿勢でぱらぱらと見るのが醍醐味だったりする。そう言う意味では、モニタで閲覧するのは辛い。
予想以上に疲労する。あまり雑誌をぱらぱらと言う感じではないかも知れない。
電子書籍や電子雑誌が期待されながら今ひとつ普及が進まないのも、この面が大きいのではないだろうか。
こうなると、より紙に近い新しいデバイスの登場を待つしかないのだけど・・。
(マイノリティ・リポートであった電子新聞みたいな感じ。)
これも近い将来ありなのかな。

ともあれ、広告をベースとした、今後のwebコンテンツ、インターネットコンテンツの一つの方向性を示してるのは確かだと思う。注目の価値はあるのでは。

投稿者 bauhaus : 2005年10月04日 00:09   « iTunes5の新機能 − VBR | F1日本GP予選 - ラルフ・シューマッハがPP »

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