2010年04月27日
2010、F1GP,プレステージを終えて。
今シーズンのF1も開幕して、先日の中国GPで、早、4GPを消化した。2010シーズンは、色々と話題満載。
M.シューマッハが復帰したメルセデスGP。二人のイギリス人チャンピオンコンビとなるマクラーレン。フェラーリに移籍した、アロンソ。今年は昨年の信頼性とミスを取り戻したい、若きヴェッテル。そして、3チームの新チーム加入と、給油の禁止、1位は25ものポイントが付与される、新しいポイント制度。などなど。
F1は、プレステージとも言える、アジア系のシリーズの4GPを終え、ヨーロッパラウンドを迎える。
これまでの勝者は、バトンが2勝。アロンソ1勝。ヴェッテル1勝。
総合力では、レッドブルが、頭抜けてる感じはあるが、4戦中、3戦が雨がらみの混戦レースとなったのもあり、ディフェンディングチャンピオンのバトンがリードしている形だ。
総合力の高さが光るバトンと、焦りが見え隠れするハミルトン
下馬評では、マクラーレンに勇気ある移籍を決めたバトンは、ハミルトンのチームに飛び込むと言う事で、かなり困難な闘い強いられ、チームメイトにも差をつけられるだろうと予想されていた。しかし、蓋を開けてみれば、速さと言う面ではハミルトンに分がある感だが、総合力としてのバトンの強さが印象的な状況となっている。
バトンが最初に勝利を決めた、2戦目のオーストラリアGPでは、早期のタイヤ交換の判断が功を奏し、初勝利。この時はタイヤ交換の判断がツイていたと言うようなラッキーな感も強かったが、同様に荒れたコンディションの中国GPでも適切なタイヤ交換判断を行い、勝利を掴んだ。確かに2戦共に、運の要素があったのは事実だが、バトンのその時点のレースコンディションにおける、適切な判断能力の高さが勝利を導いた事実は、否めない。バトン自身は、路面からフィードバックされる感覚を基に、ドライバーが判断を下したと語っていた。
この辺は、適切にレースとコンディションを読むドライバーの総合力の高さゆえだろう。一方でハミルトンは、自分でタイヤ交換のタイミングを判断した事はないと発言していた。レース経験の長さによる総合力の差が出た感がある。
また、ハミルトンの方だが、レースでは凄まじい追い上げとオーバーテイクを披露し、相変わらずのパフォーマンスの高さは示しているものの、予選での結果が今ひとつパッとしない。
オーストラリアでも、中国でもそうだったが、フリー走行では絶好調にも関わらず、肝心の予選では何故かタイムを伸ばせず、レースで頑張るの構図となっている。
好パフォーマンスを示すチームメイトへのプレッシャーなのか、父親がマネージメントから外れた影響なのか、分からないが、微妙に歯車が合っていない感がある。
しかし、マクラーレンの通称「Fダクト」は強烈だ。明らかにストレートスピードは伸びている。他チームも懸命に開発中だが、いつまでそのアドバンテージを保てるか、今後注目だ。
思ってた以上に錆びついていた?シューマッハ
よもや、また、最早、復帰などがあり得るとは誰もが思っていなかっただろうが、何とM.シューマッハが3年ぶりの現役復帰を果たした。しかも、彼のレースキャリアの初期を支えたメルセデスGPから。恩返しもしたかったと言う事だが、普通に考えれば、現役から3年も遠ざかり、おまけに年齢も41歳と現役の年齢層からは結構外れた感のある所で、今更、速さを示すのは難しいだろうが、そこは7回の史上最多のワールドチャンピオン。周囲も最初は慣れが必要だろうが、すぐに従来のスピードを取り戻すだろうと言う楽観的な予測が大方を占めた。
しかし、蓋を開けてみれば、散々とまではいかなくても、チームメイトのニコ・ロズベルグには、今の所、予選・決勝ともに全敗。先日の中国GPでは、現役時代には予想も出来なかった、オーバーテイクされまくりショーを展開し、シューマッハ自身も思い出したくないレースとして相当にショックを受けていた。
やはり、3年のブランクは想像以上に大きなブランクだったのだろう。初戦のバーレンGPの予選終了後に、自分の中でまだまだ錆びついている部分があると認めていたが、4戦経た今も、錆は中々取れないようだ。と言うより、年齢的にも当然ピークはとっくに過ぎており、やはり、現役時代のスピードを戻せるのは、相当に至難の業ではないだろうか。
かつてはレインマスターと呼ばれるほど、雨などの荒れたレースは得意だったシューマッハだが、中国GPのレインレースでは、ウェットタイヤをうまく使いこなせていなかった。
もちろん、車も大きく変わり、タイヤの仕様も大きく変わってる部分もあるだろうが、あの中国でのパフォーマンスを見て、本人もそうだが、現実を思い知った人は多いのではないだろうか。
メルセデスGPは、スペインGPで大きなアップデートを予定している。今の車がシューマッハのドライビング・スタイルには合っていないと言うのはよく言われているが、このアップデートで改善されてくるのか。やはり普通に考えれば、3年ブランクの41歳のドライバーは戦力としては厳しいのが当然だが、それでもやはりシューマッハだと言うシーンが見れるのを期待しつつ、今後の行方を見ていきたい。
やはりラテン系コンビのフェラーリ
開幕戦のバーレンで、ヴェッテルにトラブルがあったとは言え、見事に移籍後1戦目で初勝利を飾ったアロンソ。この時は、スピードはレッドブルに分があるものの、信頼性、ドライバー、レース戦略などの、総合力ではフェラーリが一番だと言う印象を残した。
しかし、続くレースでは今ひとつ歯車の合わないレースが続き、戦績も今ひとつ。
2戦目以降は雨がらみの荒れた展開だった為、通常のコンディションのレースとは趣が異なっていたのは事実だが、マレーシアでのアロンソのエンジントラブルや同じフェラーリエンジンを載せているザウバーのエンジントラブルなど、信頼性の面でも若干問題が出始めている。
また、中国GPでは、ピットイン時にアロンソがマッサを強引に抜き去ると言う、ヒヤッとする場面もあった。アロンソ的には自分の当然の行動だと言い張ってたが、アロンソのエゴイズムが垣間見えた一瞬でもあった気がする。
ドライバーもラテンコンビでチーム首脳陣もイタリア人と言う事で、以前そうだったように再びラテン色が極めて強いチームとなったフェラーリ。1980年代はそれで成績不振に陥り、論理思考のゲルマンのシューマッハや、イギリス人のロス・ブラウン、フランス人のジャン・トッドを迎え、チームの再建を図ったフェラーリ。よもやあの頃の低迷期になるとは思えないが、すこーし気になる感はある。
いずれにしてもシューマッハ的なチームだったフェラーリを、アロンソがどのように自分のチームにし、どのようにチームを纏めていくか次第だろう。マッサも速さはあるが、そう言ったカリスマ的要素はどうしても欠けるように思える。本来であれば、非常に高いバランスのパッケージを持っているはずで、マクラーレンの追撃もあるが、本来のコンディションになった時に強さをキチンと発揮出来るかどうか。今後のポイントになるだろう。
速さはやはりレッドブル
やはり今シーズンもレッドブルが最速だろう。他のチームに対しても頭一つ抜き出ている感じがある。ダウンフォースレベルもかなり強大で、やはりエイドリアン・ニューエイの才能恐るべしと言う感じだ。特に予選でのパフォーマンスは圧巻。マクラーレンを始め、他チームが車高調整システムを使ってるに違いないと疑ってもしょうがないくらい、予選では極めて速い。しかしそんな疑惑があっても、FIAの徹底的な車検を受けてOKとなっているので、車高調整システムはあったとしても、「合法」なのであろう。
レッドブルの課題は、やはり信頼性。信頼性に泣いて勝てるレースを2戦程、フイにした。またドライバーラインナップもヴェッテルはいいとして、ウェバーはちょっと厳しいかも。もちろん速さはあるが、どこか自分を見極めてしまっている感もあるし、ヴェッテルを刺激するくらいのスピードと強さを持つチームメイトの方が、若いヴェッテルにとってはいいような気もするのだが。パッケージから言えば、チャンピオンになって当然のレベルだが、今後、どう巻き返しを図ってくるだろうか。
新しいポイント制はチャンピオンシップを面白くしそう
今年から、大幅にポイントシステムが変わり、勝者は25ポイントもポイントが付与される。
2位は18ポイントで7ポイントも差がある(3位15、4位12)。これは大きい。
4戦までは勝者が目まぐるしく変わったため、ランキングもレース毎にがらりと入れ替わる様相だ。
今シーズンもここ最近と同様に、混戦が予想される。
そう言う意味でも、最後までどうなるか分からないチャンピオンシップとなるかも知れない。
投稿者 bauhaus : 2010年04月27日 19:46 « 2009、F1最終戦。魅惑のヤス・マリーナ | ロゴデザイン、ロゴマークのデザイン »
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