お正月用品の特集、3回目です。
今回から、3回に分けて、「羽子板」を特集します。
「羽子板」と言うと、毬を打ち合って遊ぶ羽根突きの遊戯道具と言うイメージが強いです。元々はそのような出自ですが、徐々に厄払いとして使われることも多くなり、魔除けとして正月に女性にあげる習慣も生まれました。
江戸時代頃からは、女の子の生まれた家に贈る事が習慣となり、女児の初正月祝い・縁起物・魔除けとして、現代でも重宝されています。
この女児の厄除け・縁起物としての羽子板は「飾り羽子板」として発展し、伝統工芸の技術を駆使した素晴らしい仕上がりのものが生産されるようになりました。
ここで集めた羽子板も、伝統の匠の技術を活かした職人達のハンドメイドの逸品です。その為、高価なものも多いですが、女の子の正月お祝い・贈答品として相応しい品々です。
羽子板特集の1回目は、¥50,000円以内のご予算で購入出来る、羽子板商品を集めました。
羽子板の由来
羽子板の歴史は古く、七世紀から宮中で行われていた「毬杖(ぎっちょう)遊び」が起源と言われています。これは、先がヘラのような形をした杖(毬杖)で毬を打ちあう遊びです。この杖が変化して、羽子板になったものと考えられています。
江戸時代になると、大名の間で、年の暮れに女児の生まれた家に贈ることが慣例となり、女の子の厄除けという認識が醸成されていきました。
また、羽根突きの羽の飛ぶ様がトンボに似ていることから、蚊が病気を仲介することを認識していた昔の人々は、羽をトンボに見立てました。そのことから蚊はトンボを恐れ、ひいては子供が蚊に刺されないという,厄除けのまじないとして正月に羽根突きを行っていました。
羽根突きの玉には、板で突いたときの音が良いと言うことから「ムクロジ」という木の、黒くて硬い木の種子が用いられています。「ムクロジ」は「無患子」と書き「子供が患わない」ようにという意味が含まれています。
羽子板は正月の羽根突きの遊び道具、贈り物という用途に加えて、女児の初正月を祝い邪気をはね除け美しく、無事成長することを願うための大切な飾りとなっています。
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(売り切れの場合はご容赦下さい)
羽子板の作業風景 ※ちぐさやより
1)面相描き
木綿に胡粉でぼかしをかけ、表情を整える。目を入れ、口を描き込む。一筆一筆が羽子板に命を吹き込みます。化粧を施すかのような熟練した職人の手技が羽子板に優しい表情を与えます。
2)くるみ作業
羽子板の姿に柔らかさ・厚みを表現するのは、綿を詰める「くるみ作業」から。小さな板に舞う人形の躍動感はここで生まれます。
3)上絵描き
仕上げは「上絵描き」。見事な美しさ・気品を添えるため、着物の柄を丹念に描き込んでいきます。
羽子板は女児の邪気をはね(羽根)のけ、健やかに育つようにとの願いが込められて飾ります。