破魔矢の作業風景 ※ちぐさやより
1)羽根焼き
美しい矢を作るため、羽根の芯を焼きます。そして均整のとれた美しい矢が出来上がります。
2)藤巻き
一巻き一巻きに力を込めて心を込めて、籐を巻きつける。その度に弓の持つ曲線の美しさ・力強さが出てきます。
3)金箔押し
丁寧に、細心の注意を払いながら、金箔をのせ、さらに磨きをかける「金箔押し」。デリケートな金箔の美しさは、竹のピンセットの微妙な動きで決まります。
破魔弓由来:
弓には武勇を表し、さらに邪気をはらい、眼に見えない精霊を退散させる力のあるものという意味と、人間には知ることの出来ない方向と距離を判定する占いの道具としての意味があります。神社などでは平安の頃より魔除けの意味での破魔弓神事や、年占い神事が行われていました。「はま」は弓で射る的、またはその競技を意味し、後に「破魔」の字をあて魔を射ると解されるようになりました。これらの神事が一般にも広まり、男児の初正月には、雄々しく、力強く、健やかに育てとの願いをこめて破魔弓は飾られています。
破魔弓、羽子板を飾る時期:
赤ちゃんが初めて迎える正月の飾りですから、お祝として十二月の中旬以降に飾り付けをします。また、片付ける場合は一月の十五日頃、正月飾りを焼く左義長(どんと焼き)の行われる時期にしまいます。尚、そのまま飾っておいてひな人形や五月人形の脇飾りとしても良いでしょう。これは、ひな人形、五月人形が季節の節目に飾る物に対し、初正月の飾りである羽子板や破魔弓は末永く続く幼子の人生の始まりを示す飾りであり、魔除け、厄除けの飾りとしての意味を持つものだからです。