David Bowie の1976年の名作「Station To Station
」に収録されていた曲、「Stay」
何故かこの曲を最近よく聴いている。
前作の「Young Americans
」で、グラムロックスターに終りを告げ、一気に転身を図ったが、「Young Americans
」は、ソウルミュージックに対する憧憬から作られた音で、黒人ミュージシシャンを多く用いたリズムセクションユニットで、ボウイのソウルに対する独自の解釈も織り交ぜながら、彼ならではのソウルミュージックを作り上げた。その感覚は「プラスティック・ソウル」とも形容された。ちなみに、初の米国No.1ヒットとなった、John Lennonとの共作「Fame」は、本アルバムに収録されている。
その続編となる、「Station To Station」は、リズム的なアプローチは前作を踏襲しながら、サウンド的には、次作の「Low」以降、確立されるベルリン時代の布石ともとれる、ヨーロッパ的なアプローチが絡み合い、より一層、独自で鋭利な音作りに成功している。
ボウイのヴォーカルワークが絶頂期である事を示す、カバー曲の「Wild Is The Wind」や、シングルカットされた前作寄りのソウル曲「Golden Years」など、収録曲は6曲しかないが、どの曲も個性的で煌めいている。
その中でも「Stay」はお気に入り。
黒っぽいリズム作りに独特な疾走感が絶妙に絡み合う。実験的な音作りの匂いはあるが、次作以降にも繋がる音の感触が散りばめられている。
しかし、この時期の作品(〜1980年の「Scary Monsters」)は、たまによく聞くが、いつ聞いても斬新さを感じる。この頃のボウイの冴えっぷりは、やはり半端ではなかったと実感する。個人的な好みもあるだろうが。(もちろん、どうしてその後ああなったのかと言うのは思うけど、それはそれかな。)
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