驚いた。
何の前触れもなく、突然、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)が2013年3月にニュー・アルバムをリリースすると発表された。アルバムタイトルは、「The Next Day」。
2003年の「Reality」以来、実に10年ぶりの新作。そして通算30枚目のスタジオ・アルバム。
前作の頃は、2002年の「Heathen」、2003年の「Reality」と2年連続でアルバムをリリースし、実にアグレッシブに活動し、やる気全開モードな感じだったが、「Reality」リリース後のRealityツアー中に心筋梗塞で倒れ、その後はすっかりフェードアウトしてしまっていた。
ナイン・インチ・ネイルズとの共演やら、時折話題は出るものの、また、過去の名作のリイシュー盤は多くリリースされるものの、ツアーや新作の情報は全くなく、この人はもう新作を作るようなモチベーションはないのかなと思っていた。
その中での突然の新作発表。
御年は既に66歳。それでも往年のファンにとっては、大きな喜びだ。
プロデュースは、トニー・ヴィスコンティ。「Low」「Heroes」「Lodger」と名作を築き上げて来たデヴィッド・ボウイの右腕と言ってもいいだろう。2002年の「Heathen」、2003年の「Reality」もトニー・ヴィスコンティによるプロデュース。往年の黄金コンビによる新作となる。
聞いてみましたが、老いましたね。
音的には、「Heathen」に近い感触。静か。だけど滲み入る感じだ。
「Heathen」の頃から声の衰えが気になる感じだったが、やはり衰え感は強い。
デヴィッド・ボウイは独特の低い声も魅力だと思う。だから、無理せず最近のスティングのように低音で歌えばいいのにと思ってしまうが(実際、2003年のRealityツアーの時も低い声がベースの曲は割りと違和感なく歌っていたし)、無理してでも高い音を出すことが彼のリアリティなのかも知れない。
もちろん、先行シングルだけでは、アルバム全体がどうかは分からない。
ともかく、偉大なるロックレジェンドのビッグニュースを素直に喜びたい。予定通りリリースされる事を祈って。
「The Next Day
」(iTunes Store)
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